こんにちは。
機長のTenです。
パイロットって難しい試験をクリアしないといけないんでしょ?
よくこんな質問をされます。
そうだなぁ…
試験が重なったりすると忙しかったなぁ…(遠い目…)
みなさんは、副操縦士になるまでに、
いくつくらいの試験があると思いますか?
今回はパイロットになるまでに
どのような試験があるのかを共有します。
是非お付き合いいただいて、
パイロットになるまでのイメージを
膨らませてくださいね!
まず簡単に自己紹介をしておきますね。
航空大卒業
大手航空会社入社
国内他社へ2度転職
ボーイング機機長
もちろん私自身が
現役のエアラインパイロットですので、
パイロットになるまでに
様々な試験を経験しております。
懐かしいなぁ。
私は航空大学校の卒業生です。
ここでは航空大学校のシラバスに沿って、
思い出に触れながら記事を書いてみようと思います!
いよいよ訓練スタート!
待ちに待った航空大学校への入学!
ここからいよいよ
パイロットになるための訓練が始まります。
航空大学校の訓練課程については
以下の記事を参考にしてみてください!
パイロットになる方法② 【航空大学校】
といっても最初は座学のみ。
フライトはありません。
フライトに必要な知識を
最初の5か月間で蓄えていきます。
宮崎座学課程に関しては
stand.fm“VR航空大学校生活/宮崎座学課程ver.”
で収録していますので、
よかったら聞いてみてください!
座学課程では
14科目ほどの教科があり、
それぞれ試験を受けることになります。
もちろん1つでも不合格になることは許されません。
一応言っておくと、
試験内容は、
授業の内容をしっかり聞いて
理解していれば問題ないので
心配する必要はありませんよ。
フライト訓練スタート!
最初の宮崎座学課程を終えると、
ここからはいよいよフライト訓練です。
フライト訓練の合間に座学も入るのですが、
メインはフライト訓練になります。
帯広課程では自家用操縦士相当の技量を、
宮崎課程では事業用操縦士相当の技量を、
仙台課程では多発機の技量と、計器飛行の技量を訓練します。
航空大学校の訓練課程については
以下の記事を参考にしてみてください!
パイロットになる方法② 【航空大学校】
帯広課程で行う試験は、
・Pre-Solo check
・Navigation check
・Local check(Airwork, Touch & Go)
宮崎課程で行う試験は、
・Navigation check
・Local check(Airwork, Touch & Go)
仙台課程で行う試験は、
・Multi ENG Check
・INST Check
・INST Navigation Check
フライトの試験=Checkは
1度不合格になっても、
もう一度チャンスが与えられます。
ただし、
再試験=Re checkで不合格となってしまうと、
退学となってしまいます。
それ以降の訓練を受けることはできません。
泣いてもダメです。
私の同期にも
訓練途中でFail=退学になってしまった
仲間がいました。
退学となってしまった彼は、
その後自費でパイロットライセンスを揃え、
エアラインパイロットとして活躍しています。
詳細は
#11 【保存版】航空大Failからエアラインで飛ぶその日まで
こちらに収録したものがありますので、
一度聞いてみてください!
どのCheckでも退学が見え隠れしているので、
プレッシャーは相当なものがあります。
このプレッシャーに負けずに、
皆で合格を目指していくのです。
こちらの記事も参考になると思いますので、
よかったら目を通してみてください!
【要注意】その考え方じゃ100%パイロットになれない⁉パイロットの考えかたとは
いよいよエアラインへ!
さぁ、無事に航空大学校を卒業して
航空会社へ入社したあなた!
おめでとうございます!
いよいよ夢に見ていた
エアラインパイロットとして
活躍するステージに
近づいてきましたね!
ここまでの訓練で、
パイロットに必要なライセンスは
1通り取得しました。
しかしながらこのままでは
航空会社のパイロットとして
活躍することはできません。
航空会社で運航している飛行機は、
機種ごとにそれぞれ型式ライセンスが
必要となるからです。
どういうことかというと、
例えばB777やB767,B737など、
それぞれにライセンスが必要だということです。
航空会社に入ったあなたは、
まずこれらの型式ライセンスの取得に向けて
訓練をする事になります。
Simulator訓練がメインになりますが、
実機を用いて数回の離着陸訓練を
行うことがあります。
この訓練を終えると、
型式ライセンス取得のCheckがあります。
✈OJT START✈
型式ライセンスを取得したあなたは、
いよいよエアラインの現場へ向かいます。
ここからは実際にお客様を乗せる飛行機を用いて、
OJT(On the Job Training)が始まります。
エアラインパイロットとして、
飛行機を飛ばす技量だけでなく、
会社の決まり事、
運航ポリシー、
他部署との連携、
副操縦士としての業務などを、
フライトを通して学んでいくのです。
ここまでくればもう一息ですね!
定められたフライト数の中で
確実に副操縦士業務が
できるようになる必要があります。
順調な進捗を見せたあなたは、
社内審査を受けることになります。
路線審査です。
路線審査はお客様を乗せたフライトを通して、
副操縦士としての技量が身についているか、
口述試験を通して、
必要な知識が備わっているかを確認します。
この審査に無事合格すると、
晴れて副操縦士資格の発令が出され、
肩に金色に輝く3本線の肩章を
着けることができるのです!
おめでとう!
これで副操縦士として
コックピットの右席に座ることが
許されました!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
一人前の副操縦士となるまでには
多くの試験や審査を
クリアしなければならないことを
実感できましたでしょうか。
・座学課程で14科目以上の学科試験
・フライト課程で8種類の実技試験
・型式ライセンス取得試験
・社内路線審査
副操縦士となるまでに、
座学も含めて
全部で25回ほどの試験があるわけです。
この数だけ見ると
うんざりしてしまうかもしれませんが、
一気に受けるわけではないので
心配する必要はないです。
進捗に併せて、
その都度試験を
クリアしていくイメージです。
ある意味自分の成長を
感じとれる瞬間でもあります。
焦らず、着実に勉強を進めていけばクリアできます。
是非ひとつひとつクリアして、
エアラインパイロットを目指してくださいね!
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