価値のある失敗と、価値の無い失敗

パイロットになる方法
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こんにちは。
機長のTenです。

失敗することが単純にこわい…
失敗したら今後の訓練や就活に影響出るかも…

失敗なんてしたくないな…
って思いますよね。

私も失敗したくありません。笑
そして
失敗が許されない時もあるかと思います。

ただ、
失敗を恐れるあまり、
できることの枠を狭くしていませんか?

できることの枠が狭いと、
決められたことはできるけど、
いざという時に役に立たない

そんなパイロットになってしまいます。

『失敗は成功の基』
とは言うけれど、

“価値のある失敗と価値の無い失敗がある”

私はこう考えています。

パイロットの視点から、
それら失敗の違いについて考えてみます。

皆さんには
“価値のある失敗”をして
できることの枠を広げ、
成長に繋げていってほしいと思います。

本題に入る前に
簡単に自己紹介をしておきますね。

航空大学校入学
卒業までAクラスkeep
(Aクラス=上位1/3以内)
大手航空会社入社
国内他社を2度転職
現在Boeing機機長

これまで一度も
訓練や審査でFailになったこともありません。

しかし失敗は山ほどしています。

価値のある失敗と
そうでない失敗の違いを
実際に体験した私だからこそ、
少しは信用できる内容を提供できる

と思います。

それではいってみましょう!

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価値の無い失敗とは

まず最初に“価値の無い失敗”について共有しようと思います。

私が考える“価値の無い失敗”次の3つです。

・同じ失敗をくり返すこと
・仲間と共有しないこと
・失敗してはいけないところで失敗すること

1つずつ見ていきましょう。

同じ失敗をくり返すこと

まずは同じ失敗をくり返すことです。

これの良くない理由は次の3つです。

・単純に成長スピードが遅い
・周りから助けがもらいにくい
・パイロットは2度失敗するとFail

ここでの話はあくまで
パイロットとして
をベースにお伝えします。

環境によっては
必ずしもそうではないこともあるでしょう。

パイロットの訓練の場合は、
一部を除いて
決められた期間内に
決められた能力を
身に付けなければなりません。

同じ失敗をしているということは、
そこの修正に時間を取られることになります。

そうすると、
必然的に新しいチャレンジが
できなくなってしまいます。

新しいチャレンジをしないと
いつまでも次のステップを踏めず、
結果として成長が遅くなってしまいます。

また失敗をしてしまった時、
周りの仲間や教官が
フォローしてくれると思います。

しかし
何回も同じところを失敗していると、
段々とかける言葉が
なくなってきてしまいます。

最悪の場合、

『あいつには何を言っても時間の無駄だな。』

となってしまうかもしれません。

フォローしてくれる仲間も、
自分の訓練があるわけです。

貴重な時間を
仲間のために割いている
のです。

その貴重な時間をもらっている以上、
同じ失敗をくり返すことは
失礼になってしまいますよね。

さらにパイロットの世界では
同じ審査で2度Failしたら
パイロットになれません。

これはパイロットになった後でも同じです。

このことからも、
パイロットとしては
同じ失敗は価値の無い失敗となります。

仲間と共有しないこと

個人の失敗を仲間と共有しないこと
価値の無い失敗です。

理由は、

・仲間が同じ失敗をして時間の無駄
・新しい失敗経験を得られない
・パイロットの文化と合わない

個人の失敗を他人に伝えることは
勇気のいることかもしれません。

なんて言われるか、
なんて思われるか、

他人の目が気になるかもしれません。

しかし
そんな心配は不要です。

失敗を伝えず、
仲間が同じ失敗をくり返してしまうことほど
時間の無駄なことはありません。

勇気を出して、
ひと言共有しておくだけで
その失敗は防げたから
です。

限られた時間内に
最大の結果が求められる中、
時間を無駄にするわけにはいかないのです。

もし失敗を共有していれば、
その仲間は新しいチャレンジを通して、
新しい失敗を経験するかもしれません。

その経験を共有することで、
自身も新しい失敗を疑似経験できるわけです。

訓練中は失敗の連続です。

上手くいったことも、
失敗したことも、
仲間と全て共有することで、
実際の訓練時間の何倍もの経験を
積むことが可能となるのです。

またパイロットの世界では
情報共有は会社関係なく行われます。

それが空の安全に繋がるからです。

法律でも報告の義務があります。

“自分の失敗は恥ずかしくて言えない”
というような文化は存在しません。

失敗してはいけないところで失敗すること

同じ失敗ではなく
失敗しても共有さえすれば
いつでも失敗していいのかというと、
答えはNOです。

残念ながらパイロットの世界では
絶対に失敗してはいけないシーン
もあります。

訓練中なら許される失敗も
審査ではFailとなってしまうこともあります。

緊急操作の手順を急いでやるが故に
ミスをするなんてことは
あってはいけません。

絶対に失敗してはいけないポイントがあるのです。

この絶対にやったらいけない失敗を、
その他のどうでもいい失敗と
同じ温度で取り扱うと、
とんでもないことになります。

大体は訓練中に
教官たちから口酸っぱく言われると思います。

そんなに心配しなくても大丈夫ですが、
そういう許されない失敗もあるということは
アタマの片隅に置いておくと良いと思います。

価値のある失敗とするために

価値の無い失敗を理解して頂いたところで、

これらの失敗を
価値のあるものへ変換していきましょう。

その方法は簡単で、次の2つです。

・失敗していいタイミングで失敗(チャレンジ)してみる
・失敗を仲間と共有する

失敗していいタイミングで失敗(チャレンジ)してみる

まずは
絶対してはいけない失敗をしないために、
日頃の訓練での失敗を恐れないことです。

失敗しても
正直ノーダメージです。

多くの失敗を経験しておけば、
2度と同じ失敗をしないようになります。

ミスが許されない時の失敗が
少なくなるはずです。

もちろん
何も準備や考えなしでぶっこんで失敗しても、
それは何も意味がありませんよ。

ただの無謀です。

地上での自分の考えやイメージと、
空にいる時の状態がズレて生じたミスは
価値ありです。

なぜそのようなギャップが生じたのか。

考えてみると次に繋がりますよね。

失敗を仲間と共有する

せっかく経験した貴重な失敗も、
仲間と共有しなければ
価値の無いものとなってしまいます

なるべく記憶がフレッシュな内に
仲間と共有し、
解決策を考えてみてはいかがでしょうか。

共有する姿勢を見せれば、
仲間も自然と情報をくれるようになります。

次の訓練は、
新しい情報をもとに準備することができるので、
同じミスはしないはず
です。

そして新しい失敗を経験しましょう

加速度的にパイロットへの道が開けるはずです!

まとめ

それでは最後にまとめましょう。

まず“価値の無い失敗”とは、

・同じ失敗をくり返すこと
・仲間と共有しないこと
・失敗してはいけないところで失敗すること

そして、
それらの失敗を
“価値のある失敗へと
変換するためには

・失敗していいタイミングで失敗(チャレンジ)してみる
・失敗を仲間と共有する

どうしても経験したことないことを
実行に移すのは勇気が必要です。

少ない経験では
限られた引き出ししか
使うことができなくなってしまいます。

失敗の許される時に
様々な経験を積んで、
引き出しの多いパイロットを
目指してみてはいかがでしょうか。

そして、
それらの失敗をみんなで共有して、
空の安全を守っていきましょう!

失敗する前に知っておきたいパイロットの考え方は
以下の記事を参考にしてみてください

【要注意】その考え方じゃ100%パイロットになれない⁉パイロットの考えかたとは

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