こんにちは。
機長のTenです。
皆さんがもし
パイロットを目指そうとしているのでしたら、
今回の記事は一度目を通しておいた方がいいと思います。
パイロットは特別な才能が無くてもなれる仕事です。
しかしながら多くの場合は
それなりの努力が求められます。
ただ、その努力の方向が間違っていると、
上手くいくものもいかなくなってしまいます。
今回の記事を見ていただければ、
パイロット訓練で苦労した人の特徴
これをイメージできるかと思います。
当てはまる項目があっても大丈夫!
まだ時間はあります。
少しずつ変えていき、
訓練を順調に乗り越えて
パイロットになりましょう!
パイロット訓練で苦労する人の特徴
本題に入る前に簡単な自己紹介をさせてください。
- 航空大学校卒業
- 大手航空会社へ就職
- 国内航空会社2社転職
- 現在Boeing機機長
パイロットの世界に入り10数年。
一度も訓練・審査でFailしたこと無し。
再訓練・追加訓練も全くなしで機長昇格を果たす。
ここまで
全ての訓練・審査で失敗することは
ありませんでした。
もちろん
私は一般の能力しか持っていません。
それで十分なのです。
並みの能力で、
並みの努力をすれば
必ずクリアできます。
しかし
努力のベクトルが正しくないと
難しくなります。
今回は
皆さんがパイロット訓練を進めるうえで、
なるべくスムーズにクリアしていけるように、
他の人の失敗ケースから学べる
内容になっています。
それでは見ていきましょう!
訓練で苦労する人の特徴
実際今まで見てきた訓練仲間で
苦労した人の特徴を書いてみます。
- 情報共有しない
- 自分から学ぼうとしない
- 自分が一番だと思っている
- 失敗の言い訳をする
- 失敗を恥ずかしいことだと思い込んでいる
- 人の訓練を見て学ばない
- 合格最低点を狙いに行く
- 頑固
- 木を見て森を見ず
- カッコつける
た、大変!
いっぱいあるぞ!
もちろん苦労する人の特徴は
これだけではありませんが、
大きいところはこんな感じですね。
1つずつ見ていきましょう。
情報共有しない
訓練は1人で行うものではありません。
訓練同期と一緒に乗り越えていくものです。
訓練教官方も同期の結束力を良く見ています。
1人に教えたことを、
他の訓練生が知らないなんてことがあると、
教官は激怒します。笑
『同期での情報共有はどうなっているんだ!』と。
しかしこれがパイロットの文化なのです。
情報共有、
特に安全に関する事は
会社の垣根を越えて共有されるものなのです。
自分だけ知っていて、
他の人は知らず失敗をしてしまった場合、
悪いのは情報を隠していた人です。
自分だけ優位に立とうとする姿勢は、
最終的に優位に立てず、
むしろ不利になるということを認識するべきです。
ちなみに航空法でも
『報告の義務』
というものがあります。(法第76条)
パイロットを目指す人は、
少しでも早く
このパイロットのマインドを理解すると
良いと思います。
自分から学ぼうとしない
パイロットは
人から言われてなる職業では
ないですよね。
自分でなりたいと思って
この道を進んでいるはずです。
自分でパイロットになりたいと思った以上、
学ぶのはあなた自身ですよね!
教官や周りの人は確かに助けてはくれます。
しかし
あなたをパイロットにすることは
できません。
フライト訓練の前後に
必ずブリーフィングをします。
その際教官が、
『何か質問はある?』
と言っても、
『特にありません。』
と答えるのは、
よっぽどできる訓練生か、
苦労している、苦労する訓練生です。
(圧倒的に後者ですが。)
質問できない場合、
“自分自身が何を分かっていないのか”
が分からないという状態なのかもしれませんね。
訓練中、
分からないことや上手くいかないことは
都度出てきます。
それが普通です。
その時にすぐ質問する
クセをつけてみるのは
いかがでしょうか。
時には自分で調べろ
と言われてしまうこともあるかと思いますが、
それでいいと思います。
その時は自分で調べようとなるからです。
常に学ぶ姿勢を持っていると、
その分上達も早くなるのは間違いないです。
訓練がスムーズに進んでいる人ほど
質問上手な場合が多いですよ。
自分が一番だと思っている
自信があることは素晴らしいです。
自分ならできると信じて訓練に臨まないと、
上手くいかない時は
メンタル的にきつくなってきます。
しかし過剰は良くありません。
自分が一番だと思っている人の多くは、
人の話を聞こうとしないケースが多いです。
あと無駄にマウント取りたがります。
(同期にマウントしてどうするんだ?笑)
訓練が順調でない仲間から
アドバイスされることもあるでしょう。
その時に、
『お前に言われたくない!』
というマインドではいつか痛い目見ますよ。
近い将来パイロットになって働くとき、
コックピットでは
機長と副操縦士の2人です。
あなたが機長になった時、
キャリアの浅い副操縦士から
意見された場合も、
『お前に言われたくない!』
と答えるのでしょうか?
仕事をする仲間、
訓練する同期は選べません。
それは相手からしても同じことです。
常に謙虚な姿勢がパイロットへの近道なのです。
失敗の言い訳をする
プライドの高い人に多いです。
人それぞれ価値観は異なりますが、
私はプライドは不要だと思っています。
失敗の経験値は大事です。
自身の失敗は記憶に深く刻まれ、
同じ失敗はしないようになります。
他者の失敗も疑似体験として残り、
役に立ちます。
しかしながら、
これらは失敗を失敗として認めた場合に限ります。
あの時は他の飛行機が・・・
あの時は天気が・・・
あの時はATCが・・・
あの時は体調が・・・
このような言い訳をしていては
折角の失敗という財産が形になりません。
訓練中、
教官から色々指摘されることが多いと思います。
指摘は、
あなたをパイロットにしてあげたい
という思いから出されるものです。
言い訳するのではなく、
一度受け止めて
考えてみるのはいかがでしょうか。
失敗を恥ずかしいことだと思い込んでいる
最初からすべて上手くできる人。
おめでとうございます!お疲れさまでした!
大丈夫。
ほとんどの人は上手くいきません。
だってこれまで空飛んだことないですもん。
それでも皆パイロットになります。
安心してください。
あなたの失敗は恥ずかしいことではありません。
むしろ同期の財産です。
ありがとう!
他の人の失敗を聞いた仲間は、
話してくれてありがとう!
と伝えてみましょう。
お互いためらいなく失敗談を話せるようになったら、
最強の同期まであと少しです!
人の訓練を見て学ばない
訓練時間は限られています。
その中で経験できることも
限られてしまいます。
でもその中で
審査に合格していかなければなりません。
フライト訓練中、
他の訓練生が訓練している状況を
良く見てみることをオススメします。
確かに自分で操縦しているわけではありませんが、
これ以上ないイメトレの環境なのですよ!
仲間の上手くいったところ、
失敗したところをLIVEで見て考えることで、
自分の経験値とすることができます。
部屋で一人イメトレするより、
よっぽど効果的です。
3人のフライトを見ることができれば、
経験値も3倍になりますよ!
合格最低点を狙いに行く
スポーツしている人は
イメージしやすいかもしれませんが、
練習と本番の試合では、
発揮できるパフォーマンスは異なります。
練習で100できていても、
本番では70~80出せれば上出来です。
フライトも一緒です。
イメトレで100出せても、
実際のフライトでは
70~80程度になってしまうものなのです。
まして審査フライトとなれば、
緊張も相まってさらに
パフォーマンスは下がるかもしれません。
準備の段階で
合格最低点の70点あたりを狙っていると、
フライト本番では
70点取れないことになります。
余裕がないと視野が狭くなり、
不要なミスを起こしたりもします。
確かに日頃の訓練の準備や勉強は大変ですが、
ここは100点狙いの準備をしていくつもりで
臨むことをオススメします!
頑固
自分の考えを持つことはとても重要です。
しかし
その考えをアップデートしようというマインドがないと
苦労するかもしれません。
その時うまくいった方法も、
時間や場所が変われば
最適解でなくなることは多々あります。
人の話は聞いているフリをするけれど、
結局自分のやり方を通し切り、
訓練でとっても苦労していた同期がいました。
お疲れ様です。
皆さんには是非
柔軟な思考を持って頂きたい
と思います。
木を見て森を見ず
先ほどパフォーマンスの話から、
100点狙いでいってほしいと言いましたが、
1つ注意が必要です。
それがこの
“木を見て森を見ず”
になるなということです。
学科やフライト、
審査に関しても
それぞれ点数の配分があります。
学校のテストでもそうでしたよね?
1問10点の問題もあれば、
1点の問題もあるのです。
ここで言いたいのは、
100点を取りにいくのだけど、
落としちゃいけないところ、
抑えなければいけないところを誤るな
ということです。
要は、10点の問題は確実に取ろう!
そして余裕があれば1点の問題も取りにいこう!
ということです。
たまに1点の問題ばかりに目が行ってしまい、
10点の問題を落とす人がいます。
まさに努力のベクトルがズレている状態です。
これやっていると、
どんなに勉強しても点数伸びてこないので
注意しましょう!
カッコつける
繰り返しになりますが、
訓練初めてそこそこで
上手くいくわけがありません。
心配しなくて大丈夫です。
教官たちもそんなことくらい知っています。
だからね、
できないのにカッコつける必要ないんですよ。
上辺だけよくしても
そんなのバレてます。笑
知ったかぶりしてても、
損するのはあなたです。
失敗を恐れることはありませんし、
仮に審査で失敗しても
その分を取り返そうと、
余計な気合を注入する必要もありません。
余計な事すると、
さらに悪化することがほとんどです。
それはそうですよね。
だっていつもそんなことしていないんですから。
ミスして80点になりそうでも、
残りの課題で決して120点取って
平均100点にしようと思わないこと!
カッコつけない!
それやると
またミスして60点となり
不合格です。
80点取れていれば合格だからいいや!
と気持ちを切り替えられれば合格です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
少し辛口だったかもしれませんが、
パイロットになるのに
苦労ばかりだと気が滅入ってしまいますからね。
もう一度苦労していた人の特徴を確認すると、
- 情報共有しない
- 自分から学ぼうとしない
- 自分が一番だと思っている
- 失敗の言い訳をする
- 失敗を恥ずかしいことだと思い込んでいる
- 人の訓練を見て学ばない
- 合格最低点を狙いに行く
- 頑固
- 木を見て森を見ず
- カッコつける
航空大や会社での訓練中、
ずっと苦労していて、
未就職のまま卒業した仲間や、
(今はエアラインで飛んでいます)
訓練Failとなってしまった仲間
を見てきました。
折角パイロットになりたいと
夢見て進んできたのですから、
どうせなら
正しい努力で確実にパイロットになってくださいね!
訓練や審査だらけのパイロット人生を楽にする記事は
楽しようとしない人が一番楽になる!訓練や審査を乗り切る方法
コメント
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