大手が魅力的?!パイロットのキャリアを考えてみる

パイロットになる
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こんにちは。
機長のTenです。

パイロットを目指す皆さんは将来の就職先を考える時に何を求めますか?

  • 大手に限る!
  • パイロットといえば国際線でしょ!
  • 最新鋭の飛行機に乗りたい!
  • 給与が高いところならどこでも!

人それぞれ望むものは異なりますよね!

実際私も航空大に入学した段階では絶対大手が良いと思っていました。

最初に断っておきますが、

今回の記事では大手が良いとか悪いとかを言いたいわけではありません。

ご自身のパイロット人生をどのように歩むのか
人生をハッピーに過ごすにはどうすべきなのか

一緒に考えてみましょう!

エアラインパイロットとして生きていく理由は?

最初に話しておきますと、パイロットというお仕事はとても魅力的です。
私自身は本当にパイロットをやっていて満足しています。

パイロットの魅力に関しては以下の記事をcheck!!
現役パイロットが語る、パイロットの魅力とは?

空を飛びたい!
それだけで十分!

どうしてなんでしょうね?
空って本当に魅力的ですよね!

空を飛びたい!という気持ちも本当に良く分かります。
私もそう思います。

ただ、単に飛ぶだけであれば趣味でも実現可能ですよね?

それでも職業パイロットを選ぶということは、
自分の生活を守るための手段としてパイロットを選ぶことになります。

『他の手段で相当稼いでいるから、パイロットは趣味です。』

ここまで言える方でしたら問題なしです!
どうぞ楽しい人生を過ごしてください!笑

多くの方はそうではないと思います。

ではどうして世の中に数ある仕事の中から、なぜパイロットを選ぶのでしょうか?

その“なぜ”を実現するためには“大手航空会社”でないと不可能なのでしょうか?

待遇について

まずパイロットを選ぶ理由の一つに待遇の良さというものがあると思います。

いや、私は待遇なんて関係ない!
空を飛べればそれで良いんだ!

1人で生きていく覚悟がある方はどうぞ!それでもいいと思います。

しかし私は家族と一緒に生活していきたいと考えています。
この立場からお話しすると、自分だけ空を飛んで楽しんでいるわけにはいきません。

家族を守っていく手段としてパイロットを職業に選択するからです。

そうなると、収入は多いに越したことはありません

それではパイロットの収入に着目したとき、
大手航空会社とそれ以外の会社で差はあるのでしょうか?

2020年現在のパイロット収入
FSC 副操縦士:1500万円前後  機長2200万円前後
MCC 副操縦士:1000万円前後  機長1800万円前後
LCC 副操縦士: 1000万円前後  機長2000万円前後

情報源はお伝え出来ませんが、そこそこ信頼できる値だと思います。

そして生涯賃金で考えてみると、

  • 副操縦士昇格までの時間差
  • 機長昇格までの時間差

これらの違いにより、
大手もLCCもそこまで大差なく約64000万円程になります。

正確には60歳を超えてからの雇用状況や、
退職金制度の有無によっても数千万円ほど変化します。

ここで言えるのは、
大手であってもそうでなくても生涯にわたって稼ぐ額は大差ない
ということです。

また、賃金以外の点で考えると福利厚生があげられます。

特に航空会社で有名なものとして社用搭乗制度(EF制度)があります。

この点に関しても大手に限らず、LCCやグループ会社にも存在します

ただ路線数は大手航空会社の方が多いので大手が有利かもしれません。

それでも関連グループ会社であれば親会社の路線での使用も可能ですし、
LCCでも国内外問わず幅広いネットワークを持っている会社もあります。

さらには福利厚生そのものが全体的に縮小傾向ですので、
そこへ過度の期待はするべきではないでしょう。

路線や機種

次に路線や機種について比較してみたいと思います。

さすがに個社で抱える路線数や機種の数では大手が有利です。

色々な機種へ移行訓練をして新たな経験を積める
国内外問わず様々な路線を経験できる

この2点を日本の会社で達成するのは大手以外にはありません

では国内しか飛ばない航空会社に就職したら国際線は諦めるしかないのでしょうか?
1機種しかない航空会社に就職したら他機種の経験は諦めるしかないのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。

むしろそういう熱意がある方でしたら何とでもなります。

そうです、転職すればよいのです!

もはや一社で定年まで安泰という時代ではありません。
大手だから安心なんてことは無いことをJALの破綻で認識されているはずです。

大手ではないからこそ、早々に機長へ昇格して経験を積み
国内外問わず転職の選択肢を増やすという考えもあるのですよ。

離着陸回数

パイロットとしての楽しみの1つは飛行機を操縦することにあると思います。

その醍醐味は離着陸にあると感じるパイロットも多いはず!

この離着陸に関しては圧倒的に大手以外の航空会社の方が経験できます

航空大の同期のLOG BOOKを見ても明らかです。
大手で活躍している同期と比べると離着陸回数は2倍ほどの差があります。

LONGの国際線も飛んでいる大手では、そもそも月の着陸回数が多くありません。

それは副操縦士も機長も同じです。

少ない着陸のチャンスを機長が取ってしまうと、
副操縦士の着陸機会はさらに減ることになります。

その点MSC, LCCでは1日に3~4回の着陸機会がありますの。
機長と副操縦士が半々にやったとしたら相当な回数にまります。

この経験は技量向上に直結します。

技量が高まれば数年後にやってくる定期運送用操縦士の技能審査にも
万全な体制で臨めるはずです!

生活スタイル

パイロットはシフト勤務です。
朝早いパターンもあれば夜遅いパターンもあります。

特に国際線では深夜に飛び、朝方現地に着陸。
昼前にホテル入って時差と日差しに耐えながら睡眠をとり、
戻りのフライトへ向けて体調を整える
というようなハードな勤務になることが多いようです。
(それ故に国際線はもういいやって言うパイロットの多いこと多いこと…笑)

より人間らしい生活を望むのであれば
なるべく深夜早朝の時間帯に運航していない航空会社を選ぶべき
ですね。

この生活スタイルは大手とそれ以外というより、
国内線と国際線の違いということになりそうです。

また月間のフライト時間はパイロットの体力に影響します。

月のフライト時間は100時間まで
3か月のフライト時間は270時間まで
年間のフライト時間は1000時間まで

このように疲労の観点からフライト時間を制限するよう
国によって定められています

会社経営的にはこの制限時間ギリギリまでパイロットを飛ばした方が効率が良いので、
特にLCCでは制限時間ギリギリになることも多いようです。

個人の体力にもよるので、一概にどちらの会社が良いとは言えませんけどね。

パイロットの健康管理記事【高血圧】に関する記事はこちら

人生のリスクマネジメントを考える

ここまで読んで頂いて、どうでしょうか?
正直に言って、大手航空会社もそうでない航空会社も大差は無いということです。

ここからはパイロットとして家族を守りながら
生きていく上でのリスク回避について考えてみたいと思います。

どういった方法があるのでしょうか?

収入を高める

まず1つ目は収入を高めるということです。

パイロットとして収入を高める方法は以下の2つです。

  1. キャリアを積む
  2. 機長になる

キャリアを積むというのは定期昇給を狙います。
しかし定期昇給はたかが知れています。
会社にもよりますが、基本給が年に1万円あがるかどうかです。

次に機長になること。

こちらは破壊力抜群です。

もう一度パイロットの収入を見てみます。

2020年現在のパイロット収入
FSC 副操縦士:1500万円前後  機長2200万円前後
MCC 副操縦士:1000万円前後  機長1800万円前後
LCC 副操縦士: 1000万円前後  機長2000万円前後

副操縦士から機長に昇格すると、
年収ベースで800万円程は上がります

つまり早く機長に昇格することで収入増に繋がるわけです。

またパイロットは収入保障型の保険、
ロスオブライセンスに加入していることが多いです。

この保険は怪我や病気などによってパイロットとして飛べなくなってしまった時に、
給与を保証するというものです。

飛べなくなった時から最長65歳まで補償されます。

この保証は飛べなくなった時の職位で計算されます。

つまり副操縦士で飛べなくなったら副操縦士の給与分が65歳まで補償され、
機長で飛べなくなったら機長の給与分が65歳まで補償されるのです。

一早く機長に昇格することは、

・給与が高くなる
・万が一の時の補償額も高くなる

以上の点より給与を高めつつリスクを低くすることが可能なのです。

転職の自由度を高める

万が一ご自身の努めている会社の経営状態が悪化したら…
さらなる経験を求めたくなったら…
住む場所を変える必要が発生したら…

今は想像できないことが将来発生することは…まぁありますよね。

その時にご自身の自由度が高ければ色々な選択を取ることが可能です。

パイロットとして選択肢を増やす方法は
機長としての経験を積むことです。

もちろん副操縦士としての経験があれば転職のチャンスはありますが、
機長と副操縦士とでは選択肢の数が圧倒的に異なります

いざという時に多くの選択肢から自分の人生を豊かにする選択ができるよう、
機長昇格をして経験を積むことはリスクの低減に繋がります。

収入源を増やす

最後はパイロットとしての収入に黄信号が灯った際の手段です。

パイロットの収入で困ることなんてあるの?

そう思われる方もいらっしゃるかと思います。

しかし2020年現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い
航空業界も漏れずに大ピンチです。

海外のエアラインではレイオフも始まりました。

日本もそうなる可能性があります。

このような状況で解雇されてしまった場合、
他の航空会社に雇ってもらえる可能性は相当低いと思います。

そのような状況に陥った場合でも生きていくためには、
パイロットの仕事以外でも活躍できるようなスキルを身に付けておくことが望まれますよね。

その点でパイロット一筋というのはリスクが高いと思います。

まとめ

パイロットに限って考えると、
大手航空会社でないと達成できないことはあまり無いです。

あくまで私個人の考えですが。

私自身が現在大手に属していないのでポジショントークに聞こえるかもしれませんが、
少なくとも以下の点では大手もそれ以外の会社も大差はない、もしくは代替手段があります。

給与を含めた待遇
機種・路線の種類
離着陸経験(技量向上)
生活スタイル

それよりも人生のリスクマネジメントをする上で、
一早く機長昇格を果たすということを提案したいと思います。

以前と異なりLCCを中心に航空会社の選択肢は増えました。
それに伴い機長昇格までにかかる年数も、
約10年から約6年ほどに短くなっています。
(大手では今でも10年ほどは機長昇格までにかかります)

長い人生のたかが4年かもしれませんが、
この4年間は相当に大きいですよ!

念のためもう一度言っておくと、
大手が良いとか悪いとかを言いたいのではありません。

大手も含めて幅広い視野で、
自分の人生を豊かにする選択をしてみませんかということです。

大手に就職できなかったからおしまいなわけではないのです。
機長昇格も必ずしなくてはならないものでもありません。

自分の可能性を広げて、ハッピーな人生を一緒に歩んでいきましょう!

まずはパイロットを目指す!という方はこちらの記事をどうぞ!
パイロットになる方法① 【自社養成】
パイロットになる方法② 【航空大学校】
パイロットになる方法③ 【私大】

参考までに航空大合格までの軌跡を体験してみてください!
航空大学校受験体験記【合格編】

【産経オンライン英会話】3ヶ月間、コンサルタントとの二人三脚で徹底的に英会話力を鍛える

コメント

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