身体検査に向けて【高血圧の方】

パイロットの健康管理
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こんにちは。
機長のTenです。

最近フライトしていて副操縦士の方とこんな話をしました。

最近、航空身体検査受けたんですよー!

へ~どうだった?
何か引っかかる項目とかあるのー?

いやー、血圧だけまた上がってきちゃったんですよ。
上が150くらいあったんで、お薬もらいました

結構高いね、、
前からなの?

以前高かったので血圧下げるお茶を飲んでたんです
しばらく好調だったんで飲むの辞めたらコレですよ…

今回の副操縦士の方をはじめ、血圧で悩んでいるパイロットの方も多いんですよね。

今回の記事では高血圧の問題点と対応策についてお話します。

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高血圧となる原因は?

そもそも血圧とは何かということですが、心臓から血液を送り出すときに血管にかかる圧力の事です。

高血圧には2種類あるそうです。

  1. 二次性高血圧
  2. 本態性高血圧

1つめの二次性高血圧は、腎臓疾患や心臓・血管の異常等が原因で起こるものだそうです。

2つ目の本態性高血圧は、親からの遺伝に加えて他の様々な要因が重なることで発症するものだそうです。

本態性高血圧は高血圧の90%を占めるそうで、体質的に高血圧になりやすいことに加えて、以下の要因が考えられます。

塩分の摂り過ぎ
・喫煙
・過度の飲酒
・運動不足
・ストレス
・加齢

なんかこれらの要因を聞いただけでも、普段コックピットに座りっぱなしのパイロットにとって当てはまる項目が多いような気がしてきます。

高血圧だと何が悪いの?

では実際に高血圧だとどういう問題が起こるのでしょうか。

具体的な病名を列記してみると、

  • 動脈硬化
  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • 狭心症
  • 心筋梗塞
  • 慢性腎臓病

書いているだけで恐ろしくなってきました…

平成30年の厚生労働省による統計によると、日本人の死因は、1位が悪性新生物(がん)です。2位が心疾患、3位が老衰、4位が脳血管疾患、5位が肺炎となっていました。

つまり高血圧から派生する死因上位2つを占めているわけです。

もはやパイロットどうこうではなく、人として気を付けておかないとマズイですね…

さらに悪いことに、数値上は高血圧だとしてもほとんど自覚症状がないらしいです。

目だった症状が無いうちに発症していくのが高血圧の怖いところだそうで、若いからと油断しているとえらいことになってしまう可能性もあるわけなのですね。

いやホント気を付けようと思いました。

高血圧といわれる値は?

体を動かしたり寒さを感じたりした時に一時的な血圧上昇が起こりますが、その値を指しているわけではありません。

安静時にしていても慢性的に血圧が高い状態が続いていることを高血圧症というそうです。

具体的な血圧の値は、

収縮期血圧が140mmHg以上
拡張期血圧が90mmHg以上

の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧症と診断されるようです。

日本生活習慣予防協会の情報によりますと、

  患者数 993万人超
年間死亡数 9500人超
(脳出血などの脳血管疾患による死亡者数は含まない)

そすがに日本の死因TOP5に君臨しているだけありますね…

パイロットは高血圧でも飛べるの?

問題はパイロットとして働くうえで高血圧でも大丈夫なのか?ということです。

結論から書きますと、大丈夫です。

とは言え、高血圧が引き起こす主要な病気(狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・脳出血など)は、
パイロットにとって一番恐ろしい突発的機能喪失(Incapacitation)となることから、
決して軽く考えてはいけないようです。

では何故大丈夫なのかと言いますと、各国の航空身体検査基準で血圧の治療薬(降圧薬)の使用が認められているからです。

血圧が高くてもしっかりと治療を受けることで基準値内にコントロールでき、
薬剤の副作用がないことが証明されれば航空身体検査証明が発行されるようです。

特に基準値ぎりぎりの人は早目の治療が良いようです。

パイロットの業務では様々なストレスがかかります

このストレスが血圧を押し上げる可能性もあることから、十分なマージンを確保した血圧を目指す必要があるようです。

もちろんパイロットである前に、ご自身の生涯設計を考えた健康管理が大切なのは言うまでもないですよね!

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高血圧を予防するためのアクションプラン

ここまで書いてきた私自身も改めて高血圧の恐ろしさを感じております。

自覚症状がない内に進行していってしまうのが怖いよなぁ…

しかし恐れているだけでは意味がないので、さっそく今日から高血圧予防のアクションを起こしていこうじゃありませんか!

有効なアクションプランはというと、

  1. 塩分制限
  2. 体重制限
  3. 飲酒制限
  4. 定期的な運動
  5. 禁煙
  6. ストレスの軽減

うーむ、、よく聞くやつですよね…
やはりそうかという顔ぶれ。

塩分制限

一日の塩分摂取量の目標値って知っていますか?

男性8g未満、女性7g未満

だそうです。

ラーメン一杯の塩分量がスープ全飲みで約6gだそうです…

スープ飲んだらダメだ…
パイロットを目指す方、我慢だ!!

塩・味噌・醤油などは控え、外食でもドレッシングやソースは控えよう!

体重制限

内臓脂肪型肥満では腹腔内の脂肪組織から血圧を上げる成分がたくんさん分泌されてくるそう。

適正な体重をキープすることがとても大切。

野菜類を積極的に取ることで腹持ちがよくなったり、咀嚼回数が増えることで食べ過ぎ予防になりますよ!

飲酒制限

過度な飲酒は血圧を上昇させてしまいます。

心臓の肥大や機能低下のリスクを高め降圧薬が効きにくい『治療抵抗性高血圧』の原因にもなるそうです。

最近のパイロットはアルコール摂取に関しても本当に厳しいです。

私もステイ先での飲酒はしないようになりました。

少しずつ飲酒量減らしてみませんか?

定期的な運動

適度な運動には降圧効果があり、高血圧の治療としても勧められているそうです。

毎日30分くらいの有酸素運動(ウォーキングや軽いジョギング、自転車、水泳)が効果的なようです。

パイロットは普段コクピットでのお仕事なので、運動不足になりがちなんですよね。

意識して運動していきましょう!

禁煙

禁煙は高血圧の治療で最も効果的な方法の1つだそうです。

タバコに含まれる酸化物質が血管を傷つけ、血管収縮や動脈硬化をもたらし、心疾患や脳卒中などのリスクを高めるようです。

またタバコのニコチンは交感神経系を刺激し、血圧値を20以上あげることがあるとか!?

タバコも最近は分煙や禁煙が進んできましたし、
健康のためにパイロットを目指すついでにタバコを減らしてみるのも良いのかもしれませんね。

ストレスの軽減

ストレスと血圧は関係が強いようです。

精神的ストレス身体的ストレスなど、ストレスにも色々と種類があります。

我々パイロットも日頃の業務で様々なストレスがかかります。

仕事中に高まるストレスを、プライベートタイムで発散できるよう、趣味を持つことも良い対策になりそうです。

まとめ

高血圧は生活習慣病と言われるだけあって、対策も取り組もうと思えば今すぐにでも取り組めそうですよね。

パイロットとしてだけではなく、1人の人間として健康であることは人生を豊かにしてくれることは間違いありません。

一気に今までの生活習慣を直そうとしたら、それは無理がありますよね。苦しいですよ。

とりあえず食べ物や飲み物、軽い運動など簡単に取り組めることから始めてみませんか?

目指せパイロットとしての定年退職です!

コメント

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