こんにちは。
機長のTenです。
みなさんは、どうやってパイロットになるのか興味ありませんか?
パイロットになるための方法はいくつかあります。
これからパイロットを目指す方は、まずどのようにしたらパイロットになれるのか、
また各方法ごとの良いところ・悪いところを確認することをオススメします。
自分の人生プランに最適な方法を見つけましょう!
今回は、その方法の中の1つ、自社養成パイロットについてまとめてみたいと思います。
- 自社養成パイロットとは
- 自社養成パイロットのメリット
- 自社養成パイロットのデメリット
- まとめ
以上についてお話します。
どうぞお付き合いください。
また、”いつどうしてパイロット目指すことになったのか”興味がある方は
以下の記事をご覧ください。
自社養成パイロットとは
パイロットになるための方法はいくつかあります。
その中でも自社養成パイロットは断然オススメな方法です。
自社養成とは、各航空会社が訓練生を社員として採用し、
パイロット訓練を全て受け持つ方法です。
訓練費用についても、会社が全負担してくれます。
最近では、訓練費用は訓練生が負担・一部負担するような採用ケースもあるようです。
各航空会社の採用サイトは以下(新型コロナウイルスの影響で採用が少ないですね)
JAL:2020年度
ANA:2020年度
Peach:2020年度
採用された時点で一会社員となりますので、
訓練を受けながら給料が頂ける点が
他のパイロットを目指す道とは異なります。
色々な点で好条件な自社養成は、とても人気があります。
採用倍率は、エントリーの段階から考えると100倍くらいです。
それくらい魅力的な自社養成パイロットのメリット・デメリットを見ていきましょう。
自社養成パイロットのメリット
私が考える自社養成パイロットのメリットは、
- 会社員として給料を頂きながら訓練できる
- 訓練体系・環境が整っている
- 実運航に基づくハイレベルな訓練を受けられる
- 訓練終了後、即エアラインパイロットとして活躍できる
- 大学卒業扱いで訓練に臨める
- 社内の訓練同期や先輩後輩のつながりが強い
以上が大きなメリットだと思います。
1つずつ見ていきましょう。
会社員として給料を頂きながら訓練できる
会社員として、給料を頂きながら訓練ができるのは最大のメリットだと考えます。
やはりエアラインパイロットになるための大きな障害の一つは、費用だと思います。
必要なライセンス取得にかかる費用は2000万円前後はかかります。
この費用を会社が受け持ってくれるのですから助かりますよね。
給料については別記事でまとめてみたいと思いますが、
訓練生でも世間の新入社員並みに給料を頂くことができます。
訓練所は海外にある会社が多く、
そこでの滞在費も住居、光熱費等は会社が負担してくれますので、
出費はほとんどありません。
訓練費用を考えず、訓練に集中できる環境は恵まれていますよね。
訓練体系・環境が整っている
自社養成パイロットを採用している航空会社は、
大体が大きい会社、力のある会社です。
そのため、培ってきた訓練カリキュラムや、教材、シミュレーターなど、
訓練体系や環境が整っていることが多いです。
特に実運航を基にして作られた資料は、
勉強しながら実際のフライトをイメージできるため、
学習意欲も一段と高まります。
また、これらの資料をまとめている教官たちも、
元エアラインパイロットの方々が多く、分からないことがあっても
直接質問ができるので理解が早まります。
また自社でシミュレーターを保有していると、
都合の良い時間帯に訓練を組むことができるので負担が減ります。
シミュレーターを保有していない場合、他社から借りて使用します。
そのため、訓練開始時刻が早朝や深夜になることもざらです。
1、2回の訓練ならそれでもいいのですが、
副操縦士昇格訓練中は1~2か月ほど訓練します。
それらが毎回早朝や深夜となるとかなり辛いです。
余計なストレスがかからず訓練できる環境は素晴らしいの一言です。
実運航に基づくハイレベルな訓練を受けられる
自社養成パイロットの訓練は、もちろんエアラインパイロットとして活躍できる人材を育成するために行われます。
実際のエアラインで活きるような知識や能力が身につくようにプログラムが組まれています。
教官たちも、現役もしくは元エアラインパイロットの方がほとんどです。
訓練生が、どういうところでつまづくか、またその解決方法まで、
自身が体験しているだけにとても良く理解しています。
現場を知り尽くした教官が直接教えてくれるというのは、
そこを目指す者にとって大きなモチベーションにつながります。
訓練終了後、即エアラインパイロットとして活躍できる
自社養成パイロットの訓練コースは、基礎課程が終わると実際に乗務する飛行機で訓練が行われます。実機訓練といいます。
他のパイロットへの道とは異なり、もう就職しているわけですから、
訓練終了後は直ぐに副操縦士として乗務が始まります。
実機訓練を終えて、型式の技能証明を取得したら、OJT訓練へ入ります。
実際のエアライン業務を体験しながら訓練を行い、審査を経て副操縦士に昇格です。
自分の目指す姿が目前に見えていると、今自分が何をするべきか判断できますよね。
大学卒業扱いで訓練に臨める
自社養成パイロットとして採用されるということは、
大学新卒での入社になることがほとんどです。
保険をかけるわけではないけれど、もし何かしらの理由でパイロットを諦めるとき、
その後の就職活動で大卒か否かは多少なりとも影響があると思います。
まあ最近では大卒であるメリットも小さくなり、クリエイティブな人であれば
仕事に困ることもないかと思いますが。
社内の訓練同期や先輩後輩のつながりが強い
訓練開始から副操縦士に昇格するまで、大体2年から3年かかります。
この間、ずっと一緒に訓練を受け、互いに切磋琢磨し合う仲間との絆はとても強いものになります。
パイロットの訓練では先輩が後輩の面倒を見る機会も多々あります。
すでに経験している者が、後輩へと知識や技量、体験談を引き継ぎます。
そのため、同期だけではなく、先輩や後輩との繋がりも自然と強くなるのです。
この繋がりは、訓練が終わった後も続きます。
お互いに安全情報を共有したり、勉強会を開いたり、一緒に遊んだりと様々です。
訓練中の失敗談は笑い話として、何年たってもネタにされるんですよ。
自社養成パイロットのデメリット
これだけ好条件がそろう自社養成ですが、いくつか難しい点もあります。
私が考えるデメリットは、
- 就職倍率が高い
- 訓練は自分のペースで進まない
- パイロットになれない場合もある
以上が大きい点です。
1つずつ見てみましょう。
就職倍率が高い
先ほどのメリットから分かるように、
自社養成パイロットという道は相当恵まれています。
それ故、相当な人気があります。
絶対にパイロットになるんだ!という人から、
とりあえず受けてみるかという人まで、さまざまな人がエントリーします。
採用倍率は、このエントリーから考えると100倍以上になることもあります。
この高倍率を勝ち抜かなくてはならないという点で、難易度はMAXです。
訓練は自分のペースで進まない
自社養成パイロットの費用は会社が負担することがほとんどです。
会社から見れば、最小の費用で最大の結果を出したいわけです。
そのため訓練は最小の量しかありません。
進捗が思わしくない時、多少の追加訓練はありますが、最小限に抑えられています。
仮に訓練がうまくいかなくても、もう一度同じ訓練を受けるという事が許されていないのです。
フライトは事前の準備が重要とよく言われます。
地上で考えられることは考え、上空での訓練は体験を通して、
考えの答え合わせをする場です。
ほぼすべての訓練生、特に自社養成パイロットの訓練生の勉強量はとてつもないです。
私自身は航空大卒ですが、自社養成パイロットの訓練生と一緒に訓練を行った経験があります。
全くの個人的な感想ですが、自社養成パイロットの訓練生の平均的な勉強量は、
航空大トップクラスの訓練生の勉強量と同じくらいだったと感じます。
(もちろん訓練生個人で異なりますから、一概には言えませんけどね)
このように、自社養成パイロットの訓練生たちは日頃から勉強し、
カリキュラムから遅れないよう努力をしています。
パイロットになれない場合もある
日頃から勉強している訓練生ですが、場合によってはパイロットを諦めなければならない時があります。
それは、チェックという、カリキュラムの節目にある試験に2度失敗してしまった時です。
自社養成パイロットの訓練生は決められたカリキュラムを、
決められた時間内にクリアしなければなりません。
訓練の節目節目にはチェックがあります。
私の訓練当時、チェックは10回以上ありました。
それらのチェックは2度チャンスが与えられます。
一度失敗してもリトライできますが、同じチェックに二度失敗してしまうと訓練中止となります。
つまり、その会社でパイロットになることはもうできません。
訓練中止後の措置は会社によります。
社内の別部署へ配属となるか、そのままクビになってしまうか。
会社が訓練費用を出すわけですから、費用に見合わないと判断されれば訓練は止められてしまいます。
実際私が自社養成の訓練生と一緒に訓練していた時も、2名ほど訓練を中止させられてしまいました。
訓練中止が告げられた翌日には、荷物をまとめて帰国せねばならず、寮内がとても悲しい空気になったことを覚えています。
まとめ
最後に自社養成パイロットについてまとめてみます。
自社養成の良い点
- 会社員として給料を頂きながら訓練でき、
- 訓練体系・環境が整っている。
- 実運航に基づくハイレベルな訓練を受けられ、
- 訓練終了後、即エアラインパイロットとして活躍できる。
- 訓練の過程でできる同期や先輩後輩のつながりは強く、貴重なものとなる。
自社養成の難しい点
- 就職倍率が高く、採用されるのが難しい。
- 訓練は自分のペースで進まないため、相当な努力が求められる。
- チェックに2度失敗するとパイロットになれない場合もある。
難しい点もありますが、パイロットになりたい人にとっては、
やはり魅力の高い方法だと思います。
航空大学校の受験と併願できる点も、パイロットへの道を広くする点で魅力的です。
エアラインパイロットを目指している方でしたら、
この自社養成パイロット1本に絞るのはお勧めしません。
この自社養成と併せて、航空大学校や私大からパイロットになる道も考え、可能性を高めていくのがオススメです!
是非とも挑戦してみてはいかがでしょうか。
パイロットを目指す方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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コメント
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