こんにちは。
機長のTenです。
パイロットを目指す方が抱える不安って
色々なものがあると思います。
その中でも、
訓練Failしたらどうしよう…
このFailに関する悩みは
誰もが一度は経験するのではないでしょうか?
実際私も、
航空大学校を受験する前
航空大学校在籍中
会社での訓練中
少なからず“Fail”という言葉が付いてまわりました。
どうしても不安になることもあると思います。
なぜ不安になるかというと、
Failした後の姿が想像できないから
ではないでしょうか?
今回は
航空大学校で
実際にFailしてしまった同期との対談と、
そこから得られる考えを
共有したいと思います。
まず簡単に自己紹介しておきますね。
航空大学校卒業
在学中2名のFailが発生
大手航空会社入社
訓練中に自社養成訓練生のFailを目の当たりにする
他の航空会社2社へ転職
現在Boeing機機長
航空大でも航空会社でも、
周りの仲間がFailするのを
目の当たりにしてきました。
私自身が経験したわけではありませんが、
近くで体感した経験から、
少しは信頼できる情報を提供できると思います。
Failしてしまった同期との対談
まずは以下の
ラジオトークを聞いてみてください!
30分ほどの長さがあるので、
倍速で聞いてみるのがオススメです。
ラジオに登場する彼は、
航空大の同期で、
実際に訓練Failしてしまいました。
しかしそこから奇跡の復活!
海外大手のエアラインで活躍しています!
そもそもFailとは?
パイロットになるための方法は
いくつかあります。
それらの方法については
以下の別記事が参考になると思います。
パイロットになる方法① 【自社養成】
パイロットになる方法② 【航空大学校】
パイロットになる方法③ 【私大】
これらのうち、
自社養成と航空大に関しては
決められた期限内に
決められた能力を修得しないと
Failとなります。
具体的には
数ある試験・審査を受けていく中で、
同じ試験・審査に
2度続けて不合格となると
Failとなります。
Failしたらどうなるの?
では、
不合格となりFailを言い渡されると
どうなるのか。
その訓練施設での訓練は中止となります。
要はクビです。
自社養成の場合には、
その時の会社の状況にもよりますが、
地上職に配置転換されるケースもあります。
最悪会社を去ることになる可能性もあります。
航空大の場合は、
以降の訓練は無くなり、
退学処分となります。
いずれのケースも
2,3日以内に荷物をまとめ、
訓練所を去ることになるのです。
どうしてFailとなってしまうの?
どうしてFailとなってしまうのか。
最終的には試験・審査に不合格となるから
Failになるわけですが、
そこに至るまでに理由があるのだと思います。
今回のラジオ出演してくれた彼は、
『自分のペースで訓練ができず、訓練の消化不良を起こした。』
と述べています。
しかしながら理由は人によって異なります。
本人の努力不足
教官との相性
訓練同期との関係
本人の適性
一概にこれが原因でFailになったとは
言い切れないのです。
色々な要素が絡まりあっているのだと感じます。
少なくとも以下の特徴はマズイ!確認してみて!
今すぐ見直そう!パイロット訓練で苦労する人の特徴
Failしたらもうパイロットになれないの?
Failしてしまったら
もうパイロットへの道は
閉ざされてしまうのでしょうか?
答えはNOです。
確かに、
自社養成、航空大など
自分が所属していた訓練所では
パイロットになることはできません。
しかし他の道が残されています。
事実、ラジオ出演してくれた彼は、
その後アメリカで必要なライセンスを揃え
国内のエアラインへ就職しています。
今では海外の大手エアラインの
第一線で活躍しているのです。
これも本人が言っていました。
『確かにFailになったけど、
俺はまだやれると思っていた。
だから次の日にはもう進み始めた!』
彼は、
この自信が間違っていなかったということを
自ら証明してくれました。
カッコイイですよね!
パイロットのキャリアは1つだけではない!
色々な角度からパイロットという職業を考える記事は
大手が魅力的?!パイロットのキャリアを考えてみる
Failという事実から学んだこと
仲間がFailになる。
この事実を突きつけられた私たちは
本当にショックでした。
もちろん本人は
もっとショックだったと思います。
(本人の切り替えの早さは
我々同期を遥かに上回っていましたが…笑)
仲間がFailするという事実から
感じたこと、
学んだことがいくつかあります。
それは、
・同期としてやれることはもっとなかったのかと後悔する
・自分に適した訓練環境を選ぶことが重要
・パイロットになりたいのなら選択肢に固執するな
・諦めるのも諦めないのも、どちらでも良い。自分の信念に従う
・1人ではパイロットになれない
同期としてやれることはもっとなかったのかと後悔する
これはもう単純に
仲間がいなくなるという悔しさです。
ここまで寝食を共にしてきた仲間が、
2日後にはもう姿が見えない。
こうならないために、
仲間のために、
自分はもっとやれることがあったのではないか?
本当に後悔します。
でもその時に後悔しても遅いのです。
これから訓練を迎える人、
訓練中の人には
こんな思いをしてほしくないです。
もちろん、
全員が必死で、
余裕が少ないことも分かっています。
でも後悔するんだよ。
仲間がFailすると。
そうならないよう、
自分のためと、
仲間のために、
全力を出して欲しいと願います。
自分に適した訓練環境を選ぶことが重要
2020年現在、
パイロットになるための道は増えました。
私立大学も複数あるし、
自費でライセンス取得した後の就職率も
上がっているようです。
それ故に、
パイロットになるための道は
しっかりと選びましょう。
訓練体系
教官
訓練所
機材
費用
いろいろ考える要素はあると思います。
今回ラジオに出てくれた彼は、
訓練のペースさえ合っていれば、
現在のようにパイロットとして
活躍できる人だったわけです。
たまたま航空大のカリキュラムと
マッチしていなかったということ。
これは、
その人によって合う合わないが
当然異なりますよね。
自社養成や航空大も、
パイロットになる道の
選択肢の1つでしかありません。
どちらが良い悪いではないのです。
パイロットになりたいのなら選択肢に固執するな
一生懸命考えて選んだ道も、
本当にあっているかは
所属してみるまでは分かりません。
もし違うなと思ったら
そこで頑張らなくても良いと思います。
時間だけ過ぎて、
最終的にFailになってしまうのが
一番もったいない結果です。
繰り返しになりますが、
自社養成や航空大も、
パイロットになる道の
選択肢の1つでしかありません。
その道に固執する必要はありません。
あくまで目的は
パイロットになることなのですから。
諦めるのも諦めないのも、どちらでも良い。自分の信念に従う
訓練はどんなに頑張っても、
試験・審査に2度続けて不合格となれば
Failです。
これは仕方ありません。
また、
パイロットになりたいと思っていたとしても、
いざ訓練を始めてみたら違うなと
思うこともあるかもしれません。
Failとなってしまった時、
パイロットを目指している自分に疑問が湧いたとき、
自分の声に、
真剣に耳を傾けてみてください。
何と言っていますか?
まだやれる!
パイロットになれる!
そう聞こえるのなら
諦めずにパイロットへの道を進むのが
良いと思います。
もしそうでない時は、
よく頑張った!
そして新しい道を進もう!
諦めるという言葉の響きは良くないですが、
諦めることは続けることよりも難しい時があるんです。
決して恥ずかしいことではないし、
勇気ある決断を心から応援します。
あくまでパイロットは職業の1つです。
自分の人生を豊かなものにしましょう!
1人ではパイロットになれない
1人ではパイロットになれない。
この言葉はいろいろなところで
耳にすると思います。
実際Failした後に
エアラインパイロットになった彼も言っています。
本当に重要なことなのです!
日々仲間の存在に感謝して、
お互い成長できる関係を築けたら良いですね!
一生の財産になりますよ!
パイロットに必要な能力についても記事も確認してみてくださいね!
パイロットに必要な能力
まとめ
最後にまとめて終わりましょう。
・Failは他人事ではない。誰にでも起こり得るし、突然その日はくる。・
・Failする仲間を前に後悔の念が生じる。
・パイロットになるための道は1つではない。
・自分に適した最適なルートを選ぶ。
・パイロットは必ずならなくてはいけない職業ではない。
・あくまで自分の信念と自分の声に正直に進むことが人生を豊かにする。
航空大をこれから受験される方や、
自社養成や私立大での訓練が始まる方は、
要所要所でFailしたらどうしようと
悩むかもしれません。
でも必要以上に恐がる必要はありません。
ビビらず、
自分の信念に従って
行動してみてはいかがでしょうか。
残りは皆さん自信がラジオから感じ取ってください!
コメント